教育ログReflection Diary

地域の抱える問題がみえたとき

日本プライマリケア連合学会 中国ブロックのネットワークで研究にどう取り組むか、というワークショップが開催されました。
当PGの玉野井と松本、専攻医の山本が参加しております。

グループワークでは参加者が各自持ちよった臨床疑問を研究テーマに深めていくプロセスを経験できました。
私の参加したグループででた臨床疑問は離島で働く専攻医からで、
「島の高齢者がデイサービスに行ったら終わり、と言って利用しない問題はなぜ起こるのか」
について議論しました。鳥取大学の孫先生が質的研究のテーマになる、とガイドしてくれました。


以下はその中で紹介された論文です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/38/4/38_349/_pdf/-char/ja

岡山県奈義町の高齢男性の引きこもりが多いことに対して、インタビューを行い、そこから行政への提言を出した、というものです。

地域で働く医師として、地域が抱える問題が見えたときに、どうしたらいいか。

この論文では疑問を多職種と連携して、研究にして、それをもとに行政にアドバイスをしています。
興味深いのは、「(女性の前で)恥をかきたくない」「同世代の男性と少人数で話したい」という関係性の要因がこの研究で指摘されていることです。

私たち家庭医が地域に出たときに、地域に貢献する方法は多種多様にあると思いますが、この研究は特定の地域だけでなく、共通の課題をもつほかのエリアにもインパクトがあるものです。
家庭医が地域でできることの一つのお手本だな、と思いました。

飯塚病院 連携医療・緩和ケア科(短期研修中)
松本翔子
福岡県出身。2010年山口大学卒。初期研修を宇部協立病院で行い、そのまま同院の家庭医療後期研修へ。2015年から出雲家庭医療学センターで研修し、中小病院で働く家庭医を目指すようになる。2017年から山口大学総合診療プログラムに所属。ポートフォリオディスカッションが大好物です。
«