教育ログReflection Diary
Dual Process Theory(1)
今回は臨床推論についてお話します。
臨床推論というと「ドクターG」や「Dr.Hause」などのレアな病気をどう診断していくかについてイメージする方も多いと思います。もちろん、その能力も総合診療医として非常に重要なのですが、それだけが臨床推論ではありません。日本プライマリ・ケア連合学会の研修ハンドブックには以下のように目標が記載されています。
- タイプ1, タイプ2のdual process思考を意識し, 双方の思考過程を磨
いて診断推論力を高める.
Dual Process 思考(Dual Process Theory)というのは、認知心理学からきている理論です。人間は2つの思考プロセスがあるといわれており、以下にそれぞれの特徴を示します(表1)。
Type 1 | Type 2 |
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Type1は直感的思考とも言われます。何か症状を訴えて患者さんが受診したときにパッと思いつく思考プロセスを指します。迅速性があり時間コストがかかりませんが、一方で診断エラーも起きやすいと言われています。
Type 2は分析的思考といわれます。例えば、AIUEOTIPSといったゴロやフローチャートを使って系統的に鑑別を考えたりすることを指します。時間はかかりますが、漏れなく検討できるため、診断エラーを起こしにくいとされています。
どちらが優れていて、どちらが劣っているわけではありませんが、それぞれをうまく使いこなすことが必要です。
Key Point !!
・臨床推論を行うときには2つの思考プロセスを意識する。