総合診療医へのインタビュー
病院総合診療医
松本 翔子 医師(宇部興産中央病院 総合診療科)

Q. どうして総合診療医になろうと思ったのですか?
患者さんが年齢を重ねると、疾患や家族の状況が変化していきます。そういった変化を支えたり、その人らしく過ごすために医療ができることは何かを悩みながら、長く付き合っていくことがしたいと思いました。初期研修医の時に東日本大震災が起こり、避難所の巡回をする機会がありました。避難所に身を寄せていた人は疾患も家族構成もさまざまでしたが、多様な人たちのいろんな困りごとに見事に応えていく総合診療医の先輩に会って、総合診療医になりたいと思いました。
Q. どんな患者さんを診療しているのですか?
入院では高齢者の感染症診療が多く、外来では不明熱の診断やメンタルヘルスに関わることも多いです。終末期の意思決定を必要とする方も多く、ご家族と何度も面談をすることもあります。
Q. 病院総合診療医の魅力を教えてください
多様な疾患の診断と治療を経験できる一方で、総合診療医特有の診療(家族を含むケアや心理的・社会的背景まで考えて、介入方法を決めたりする)もできることです。地域の施設やクリニックと患者さんを通じて連携することも多いです。病院ではたらく総合診療医に期待される役割として、急性期疾患のケア、社会復帰や地域へ戻るための調整機能、意思決定をすすめる場の提供などがあります。
Q. 10年後、何していますか?
外来、病棟、訪問診療を少しずつ継続していきたいです。外来に通っていた人が急性疾患で入院。通院が難しくなったら訪問診療をして、患者さんの家族も必要時には患者として診ていける。自分自身が担う地域を決めて、その地域とともに変化していける医師になっていたいです。